邦画

『天気の子』感想【ネタバレ】「君の大丈夫になりたい」がどこまでも響いた

公開されてすぐに見に行って、エンドロールに衝撃を受けて、小説も買って読んで、よし準備万端、さぁ二度目の決戦へ。ということで見てきました二度目の『天気の子』。一度目見たあとに色んな人のレビュー見たからもう自分はいいかな…なんても思ったんですけど、やっぱり書きたくなったから書きます。素晴らしい映画だったから自分の文章でも残しておきたいなと。

↓一度目見終わったあとのツイート

 

大いに期待していたのにそのハードルを大いに超えてくる映画でした。観終わった後、しばらく何もしたくないほどの余韻に襲われました。

というわけで語っていきましょう。以下ネタバレ。小説を読んでわかったことも書いていきます。

映画『天気の子』予報②

 

世界を狂わせても助けたかった人

 

凪の「帆高、全部お前のせいじゃねえか!」「姉ちゃんを返せよっ!」って叫んでから帆高が空に向かって陽菜を助けるシーン。ここで「グランドエスケープ」が神がかりにマッチングして、本当に泣けます。どうか、どうか、どうか、どうかと、神様に何度もお願いして、助けに行く帆高。空で陽菜を掴むシーン、年下だと分かった陽菜に対して「陽菜さん」ではなく「陽菜!!」と叫ぶシーン、自分が戻るとまた天気が荒れてしまうと心配した陽菜に対して「もう二度と晴れなくたっていい!」「青空よりも、俺は陽菜がいい!」「天気なんてーー狂ったままでいいんだ!」と叫ぶシーン。全部が胸にきました。

 

全部が終わってその三年後、須賀は帆高に向けて「世界なんてどうせもともと狂っている」といいます。この狂った世界は誰のせいでもないと一度は無理に納得しようとした帆高だけど、それはちがうと気づく。世界は最初から狂ったわけではなくて、自分たちが変えたのだと。青空よりも陽菜と共に生きていくことを。世界の幸せよりもたったひとりの陽菜の命を。

 

これは賛否分かれる結末だと思うけれど、僕はあの帆高のまっすぐさを羨ましく思った。純粋で何の迷いもない行動力を。警察から逃げて、世話になった須賀に反抗して、後先考えずに一人の命を無我夢中で求めたことを。

 

結果、帆高の行動により東京は雨が降り続け面積の三分の一が水に浸かってしまった。家を離れることを余儀なくされた人も大勢いると思う。

 

でも、誰がその行動を否定できるだろう。自分にとってかけがえのない人がいて、その人がいなくなれば世界が救われるとして、大多数の人間がたとえそれを望んでいたとして、その人の命を差し出すことがどうしてできるだろう。16歳の帆高はどこまでもまっすぐだった。世界なんてどうなったっていいから、陽菜と一緒にいたかった。君の大丈夫になりたかった。

 

それでいいよ帆高、と思った。君が言うようにそれで「大丈夫」。大人を変にこじらせちゃうとかけがえのない命と世界を天秤にかけて普通は躊躇してしまうものだけど、帆高の融通のきかないまっすぐさはもうそのまま突き進んでもらうしかない。犯罪だとかなんだとか気にしてられない。だからあのエンディングもすべて良かった。帆高に思いっきり感情移入してしまったら、そういう風に主観的に観た人はもうこの結末には感傷に浸るしかないです。僕同様、余韻に浸りまくったはず。最高でした。

 

もう少し現実を見て、俯瞰的に世界を見た人はあの結末を受け入れられなかったかもしれない。社会とか、正義とか、色々考えたら難しいところもたくさんあるし、それは人それぞれの価値観だから、この映画に大いに怒ってもそれはもちろん大丈夫なんだと思います。

 

(ところで、この最後はRADWIMPSの楽曲「ます。」の「あなた一人と他全人類 どちらか一つ救うとしたら どっちだろかな 迷わずYOU!!!!」っ歌詞が思い浮かんだんですけど、仲間がいればうれしい)

あと、新海誠監督は小説のあとがきで本作についてこう語っていました。

「自分なりに心を決めたことがある。それは「映画は学校の教科書ではない」ということだ。映画は(あるいは広くエンターテインメントは)正しかったり模範的だったりする必要はなく、むしろ教科書では語られないことをーたとえば人に知られたら眉をひそめられてしまうような密やかな願いをー語るべきだと、僕はいまさらにあらためて思ったのだ。

(中略)それこそが僕の仕事だし、もしもそれで誰かに叱られるのだとしたら、それはもう仕方がないじゃないか。」

 

天気の子はそういう気分のもとで書いた物語だったそう。あの結末もこの思惑通りなんでしょうね。

エンドロールに驚いたわけ

 

エンドロールに盛大に驚いた理由、それはキャストに「君の名は。」のオールスター(瀧、三葉、四葉、テッシー、さやちん)が出ていることが判明したから。なぜかエンドロールが二回ある。RADWIMPSの『大丈夫』が流れて一度エンドロールに入るのだけど、「あれ、これで終わり?『愛にできることはまだあるかい』はどこで流れんの??」って思ってたら二回目のエンドロール。

 

ここで「君の名は。」のオールスターズが登場。そこで衝撃を受ける。僕は本当に驚いた。そして見終わった後に色んな人のレビューを見て知る。なんせ細かいところに全然着目してなかったので、「立花」って表札あったことすら見逃してた。死にたい。笑ってくれ。

 

三葉は気づいておきたかった。帆高がネックレス買う時に、店員さんあえて映し出したあの間合いは微妙に違和感を感じたから。でもまさか三葉だなんてまったく思わず。悔しい。さらにテッシー?さやちん?四葉も出てなの??だー!!もっかい見に行くしかない!!この目で確かめたい!!って思いに駆られました。ちゃんと予習したので、二度目はちゃんと見つけてきました。

 

テッシーとさやちんはフリーマーケット会場の場面で出てきます。後ろ姿で一瞬だけだけど、緑のニット帽かぶってたからあれはテッシーでしょう。その隣がもちろんさやちん。さやちん「うわぁー!」テッシー「すっげぇ!」って晴れて歓声をあげてました。

 

瀧はイケメンに磨きがかかってたなぁ。おばあちゃん思いで素敵な青年になっていた。三葉は相変わらず素敵でかわいい。もう来世で結婚したい。

 

四葉は帆高がラブホテルから連行されるとき、みんなが晴れた晴れた!ってはしゃいでるあたりで一瞬制服姿で映ります。たぶんあれでしょ。「なんか涙でるね」って言ってました。かわいい。もう来来来世で結婚したい。

 

さて、あとは最初に観て疑問に思い、二回目でわかったことや小説読んでわかったことを書いていきます。

帆高が家出した理由

 

そもそもなぜ帆高は家出したのか。劇中ではほとんど語られない。陽菜の家にはじめていった帆高が「息苦しくて・・・地元も、親も。東京にちょっと憧れてたし・・・」ってところくらい?

 

小説には父親に殴られたということが書かれています。あと陽菜にマックのビッグマックを内緒でもらったとき、「僕の十六年の人生でこれが間違いなくだんとつで、一番美味しい夕食だった」と語っていたので、家庭環境がよくなかったんだろうなってことは推測できる。それにしても三日連続でマックのポタージュスープが晩飯なんて、ハングリー精神強いな帆高。

 

あと、もしかしたら東京への憧れの方が強かったのかもしれないな。それにしても帆高、5万円だけもって単身あてもなく東京に突っ込むなんて、そして風俗店のボーイの面接受けに行ったりするのとか、無謀というか勇敢というか、やっぱり世界を変えちゃうだけあるよお前・・・。

冒頭の船のシーンで、帆高は雨が降ったことを喜んだのはなぜ

 

これはわかんなくて調べたら新海監督が以下のようにインタビューで答えていました。

「冒頭の船のシーンは、帆高の傾向や性格のようなものを描いたつもりです。『非常に激しい雨が予想されます。安全のため、船内にお戻りください』という放送がかかり、みんなが船の中に戻っていくんですが、そんななか帆高だけは逆方向に歩いていく。

『この男の子は、人と反対の方向に行ってしまうんだ、大人に言われたことと逆のことをやってしまうんだ』ということを描きたいと思っていました。大雨に喜んでいるのは、島を出てきた解放感もあると思います。

帆高はみんなが嫌がるような、危険だと思うようなことに解放感や喜びを感じてしまう。そういった、物語の行く末を示しているシーンになります」

 

なるほど、確かに帆高は逆方向にばっかり突き進んでいたのですが、それを指し示すのがこの冒頭だったわけですね。これは言われんとわからん。

須賀が泣いた理由

 

平泉成まんまの刑事が帆高の行方を捜して須賀の事務所にやってきて、「大丈夫ですか?」「いや、あなた今、泣いてますよ」という印象的なシーン。帆高を思って泣いたのかと思ったんですが、小説でその時妻の明日花と娘の萌花のことを考えていたことがわかります。全部を放り投げてまで会いたい人。世の中全部からお前は間違えていると笑われたとしても、会いたい誰か。もしも、もう一度妻に会えるのだとしたら。帆高が羨ましかったのかもしれません。

須賀が廃ビルに現れた理由

 

これ、なぜ須賀そこに現れた??ってさすがに思いましたね。しかも帆高を世間一般的な正しい道(=警察に行く)に導こうとして、最終的に警察に邪魔されそうになったら帆高を助ける行動に出る。なぜだ??と思った人も多いはず。

 

まず廃ビルに現れたのは、これは陽菜が空に登っていくのを夢に見たから、と思います。陽菜が消える日(ちなみに陽菜の誕生日=8月22日)は帆高も凪も夏美も須賀も萌花ちゃんも全員がその夢を見ています。

 

須賀は萌花からかかってきた電話で「陽菜ちゃんが空に登っていくのを夢に見たよ」と言われ、ハッと空に登る陽菜をイメージします。赤い鳥居もそこに映ります。須賀はその廃ビルを知っていたのでしょう。そして帆高もその夢を見ている(あるいは何らかの理由であの鳥居のある屋上が関係ある)と思い、そこに駆けつけていたのだと思います。

須賀が最終的に帆高を助けたのは

 

須賀は大人として冷静に対応、対処しようとしていました。帆高の人生が取り返しのつかないものにならないようにと。でも最後に帆高が涙を流して叫ぶんですよ。「俺はただ、もう一度あの人に、会いたいんだっ!!」って。それを受けて須賀がハッとするシーンがあります。おそらく亡くなった妻や娘の萌花とリンクさせたんでしょう。全部を放り投げても大切な人を救おうとした帆高を、最終的には後押しして自分も警察に殴りかかっちゃいます。須賀あんた最高だよ(あと小栗旬の声かっこよすぎ)。

夏美はどこに就職したのか

 

とにかく夏美が美人すぎるし天真爛漫でかわいいし登場時のソファで静かに寝ていて隙がありすぎるの男の夢が詰まっていて最高だし聞き上手だし本田翼の声かわいすぎるし好きだ結婚してくれって思うんですけど、就活苦戦してましたね。僕が人事だったら2秒で採用するけど??

 

で、最終的に今何してんのかって疑問はこれもまた新海監督のインタビューで見たんですけど、最後らへんで夏美が使っていた原付のヘルメットがどこかにおいてあるのでそこに就職したと思ってくださいと。

 

で、二回目に注意深く見てたら、綺麗な事務所に移転して社員も人いる進化した「K&Aプランニング」にヘルメットとゴーグルがありました。「こんなとこ腰かけよ」って言って就活してた夏美だけど、結局須賀のところに就職したんだね。最高。夏美の取材力とか思う存分活かしてほしい。あと隙だらけでソファに寝ててほしい。

 

それにしてもK&Aプランニングは何が起きた。須賀はばっちり最後警察に捕まっていて、公務執行妨害は刑法95条1項「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」なんですが。

 

もう絶対あの厳格そうなおばあちゃんに二度と孫には会わせません!みたいに怒られたはず。ありありと想像できる。だからもう娘のために名誉挽回で死ぬほど頑張ったんだろね。「見て見て!この前娘とデートしちゃった!」って嬉しそうに帆高に写真見せてたもんな。須賀やっぱりあんた最高だよ

最後に

 

さて、色々書いてたら長くなっちゃったのでここらへんで終わります。二回観たけどまた観たい、ほんと素晴らしい映画でした。RADの楽曲も全部最高だし、新海監督とRADWIMPSのタッグはどこまで続くんだろう。もうそれでセットみたくなってるし、次回作もファンとしては期待したいところですが。

 

あ!あと陽菜の「ねえ、今から晴れるよ」ってセリフかわいすぎませんか。あの声で毎朝目覚めたい。「ねえ、今から起こすよ」とか言ってくれる目覚まし時計発売されてほしい。あ!あと夏祭りの花火きれいすぎません??あのビルの屋上で浴衣の陽菜と二人きりで花火眺めるなんてそりゃ帆高すきになるわもう陽菜ほんとかわいいすみません長くなるので終わります。