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『サイコだけど大丈夫』ネタバレ感想 ミステリーが融合された心温まる傑作ラブストーリー

こんにちは、さいちゃん(@saichans_b)です。

『サイコだけど大丈夫』、ついに最終回観てきました。毎週毎週の続きを観たい気持ちと終わってしまうのが寂しい気持ち、相反する二つの感情がずっと同居してました。でも観終わった今はすごく晴れやかな気持ち。よかった。観ようか迷ってる人がいたらぜったい観た方がいいです。4話くらいまではちょっと微妙かな?ってなるんですけど、でもちゃんと面白くなるから大丈夫、安心して。

 

サスペンス、ミステリー、コメディが融合されたラブストーリーです。こんなの初めて観ました、ほんと韓国ドラマすごいわ。

幼少期に母親を失った兄弟。自閉症の兄と、兄を支えながら幼少期のトラウマを抱えて生きる弟。そして幼い頃から母親の恐怖教育により感情を失った童話作家。物語の舞台は精神病院で、心に問題を抱えた患者と触れ合いながら三人は少しずつ、心を取り戻していきます。

 

以下盛大にネタバレありです、ご注意ください。

 

最終回感想:それぞれの着地点、最高のハッピーエンド

ムニョンの魂が完全に移ったかのようなガンテの怒涛の「愛してる、愛してるんだ」連呼と愛を込めたキスによって、離別を決めたムニョンの氷のように固い決心を溶かしてくれました。そしてムニョンの「眠い」「眠いってば!」からのセックス。ベッドにたどり着くまでに脱ぎ捨てられた靴や衣類、お前らベッドまで我慢できんかったんか。

昔なにかで女の子の「眠い」は「抱いて!」のサインだって見たことあるんですけど、あれ都市伝説じゃなかったんですね?僕が今まで女の子に聞いてきた「眠い」はただの「眠い」でしたけど、まぁその話は置いとこう。

ガンテは今までムニョンにどれだけ迫られても頑なに拒んできましたが、最終回だけにキメてくれるぜ…。愛する人を一生かけて守ると決意した男はつええわ…。

 

でもガンテとムニョン、そしてサンテが一緒に暮らすには永遠に付きまとう「ムニョンの母親事件」。これを解決しないことにはふとした時に思い出して辛くなること必至なんです。

だからムニョンは母親の元に向かいました。幼い頃から恐怖教育を受けてましたから、母親と対峙するのは震えるくらい恐ろしいはず。でもちゃんと、自分を律して言い放ちました。

「私は母さんを、頭の中から消すわ」

「母さんにとって蝶は”サイコ”でも、私たちにとっては”治癒”よ。”魂の治癒” 覚えておいて」

立派だった、ムニョン。この言葉によって打ちのめされた母。刑務所から出てきたらどうなる?って心配でしたけど、ムニョンはもう一人じゃないから大丈夫。愛を知ったムニョンは強いんです。たとえまた母親がムニョンに執着してきても、必ず追い払える。

 

ガンテとサンテはOK精神病院に母親の木を植えて、家族三人(サンテ、ガンテ、ムニョン)の絵を飾り、ついに完成した新作の絵本を読み聞かせましたね。この時のサンテの「幸せなのになぜか涙が出てくる」にはグッときた。「嬉しくて泣くのは悲しくて笑うのは/君の心が君を追い越したんだよ」って野田洋次郎が歌ってたから、サンテ、そういうことだ、心が君を追い越したんだ。

 

自分の母親を殺した相手の娘と恋人になることを、母は許してくれるだろうか。サンテと一緒に3人で家族になることはいい気がしないんじゃないだろうか。そんな気がかりがガンテにはありました。すぐには難しいかもしれないけれど、こうやって幸せな3人を見せて、それぞれが自立している姿を見せていけば、気がかりも少しずつ払拭されていくんじゃないかと思います。親にとって子どもが幸せなのが一番だと思うから。

 

サンテが病院に描いた壁画のお礼として院長がくれたキャンピングカーで3人は旅に出かけます。院長の心意気と太っ腹さには惚れざるを得ない。そしてその旅行は”最高”以外の何物でもなかったです。

ガンテとムニョンは愛し合い、サンテは絵を描く仕事のために独り立ちすることを決意します。サンテはムニョンと仕事をする選択だってもちろんできたけど、それをしない。別々の道を歩み、ガンテの心を解放するために。

 

「ムン・ガンテはムン・ガンテのもの。ムン・サンテはムン・サンテのもの」

 

そう、そうなんです、当たり前のことだけど、今まで当たり前じゃなかったから。かつてガンテがムニョンと一緒になろうとした時、サンテは嫉妬と恐怖でパニックに陥った。そのサンテが完全にガンテとムニョンを認めたんです。そしてサンテも挿絵作家としての実力が認められ自力で生きていけるようになったんです。

今までサンテはガンテがいないと生きられなかった。ガンテは自分を犠牲にしてサンテに人生を捧げた。そうやって続いてきた2人の人生が、ムニョンとの出会いによってそれぞれの人生を歩めるようになった。

 

これ以上のハッピーエンドはないよ。

いやほんと最終回はほっこりした。それまでコメディ色はもちろんあるんだけどそこまで主張してなくて、どちらかというとミステリー色の方が強かったんですよね、うっすら恐怖が覆ってる感じで。中核はラブストーリーだけど「蝶」の正体(ミステリー)が相互関係になっていて、それが解き明かされていくにつれ揺さぶられる心、乗り越える勇気があって、最終的に家族の愛に繋がっていく。盛りだくさんの作品でした。最後の最後でNG集が流れたのもよかった。キャストたちの素の表情にまたまたほっこりした、かなり楽しい現場だったんだろうな。

さて、あとは登場人物ごとに印象的だったことを書いていきたいなと。

 

ムン・ガンテ(演:キム・スヒョン)がムニョンみたいになってくのが良かった

最初見たときは『愛の不時着』の愛すべき第5中隊の1人、パク・グァンボムに似てるなって思ったんですけど、こういうちょっと爽やかレモン風味のイケメンってずっと落ち着いてみていられますね。

で、マジでただ衝撃的だったのが、『愛の不時着』にちょい役で出てたこのおふざけの人がガンテを演じたキム・スヒョンだったという事実。

いや衝撃的すぎて鼻血でた。雰囲気違いすぎるしこんな三枚目役までやれるの!? って尊敬しかない。演技力天才かよ。よくよく考えると『サイコだけど大丈夫』ではガンテは笑うシーン少なかったし、笑ってもフッって一瞬な感じだったから、こんな全力で満面の笑みってなかったんですよね。笑ったら目なくなるやんかわいいやん…。

 

それにしてもガンテは最後報われて本当によかった。幼い頃、母の愛情は差別のように兄に偏っていたから。柔道で赤帯をとって帰ったときは、サンテを一人で帰らせたことで叱責され叩かれる。雨の日はサンテを傘の中に入れるのにガンテは気にかけられない。「あなたはサンテを守ってもらうために産んだのよ」と平然と言われる。母からの愛を受けたい幼い子供心がズタズタに傷つけられていました。

「兄がいなければ」「自閉症ではなくせめて平凡な兄であれば」と何度も願っていたことでしょう。耐えかねて「兄ちゃんなんて死んじゃえばいいんだ!」と叫び、そして実際にサンテが氷の川に溺れたときは見捨てようとしました。

 

だけどその時の後悔から、自分の人生を兄に捧げることに決めたのです。母親を殺害した犯人であり、兄のトラウマである「蝶」から逃げるために春になったら職を変えて引越しをしたり、ムニョンのことを好きになっても兄と一緒にいなければならない制約から「僕の人生から出ていってくれ」など本心ではない言葉を放ち、ムニョンを遠ざけようとします。「跡形もなく消えてくれ」とかかなり辛辣すぎて死ぬレベルの言葉吐いてたからね、普通に傷つくわ。

 

それでもムニョンが自分を曲げない人間でよかった。欲しいものを欲しいという、そして手に入れようとする、相手がどう思うかは置いといてとことん追いかける、そんな精神(だんだん柔らかく変化していく)があったからこそガンテも救われたんだと思う。ヤワな精神じゃガンテは救われなかった。ムニョンだったからこそ磁石のN極とS極のように惹かれあったんだと思う。

 

コ・ムニョン(演:ソ・イェジ)の美しさと表情の変化が素敵すぎた

最初は氷の国の魔女かよってくらい冷徹な印象で、人の感情がわからないザ・サイコ人間って感じだったので最初の数話で感情移入できないのは仕方ないんですよね。朗読会を邪魔した人を(先にやられたからとはいえ)刺そうとするわ、性格悪い評論家を階段から突き落とすわ、よく今まで捕まらず生きてこれたね!?って心配になるレベル。

 

ムニョンは幼少期、真のサイコである母親から恐怖政治ならぬ恐怖教育を受けていて、家はやすらぎの場所ではなく常に怯えて生きていたんだと思う。本当にずっと孤独だった。父親は母親の教育を傍観するだけで、唯一やってくれたことといえば絵本を読んでくれたことだけ。それも一度のみ。おい。でもそれが唯一の父親の温もりの記憶だったから、忘れられないんですよね。父親も本当は優しい人間だったと思うけど、狂気の母親に対抗する勇気がなかった。ムニョンの心が離れるのも仕方ない、助けて欲しい時に守ってくれなかったんだから。ムニョンが感情を失ったのも、こんな幼少期のトラウマがあったから。十分な愛情を受けられなかったから。

 

でもガンテと接していくうちに氷が溶けていくように感情豊かになっていくんです。それが微笑ましかった。回を重ねるごとに表情が柔らかくなって、デートしてるときは天に昇る勢いの笑顔を見せてくれるし、ガンテに辛辣な言葉を吐かれたときは胸を抑えて号泣するし、母親の影が迫ってきたときは心からガンテとサンテを心配するし、喜怒哀楽が全面的に溢れ出ていた。もはや感情あり余ってたよ。

 

ガンテとサンテの母親を殺したのが自分の母親だったと知ったとき、どれほど辛かっただろう。愛する人たちの母親を殺した女の娘だと知って、2人と一緒にいることがどれほど苦しかっただろう。

今度はムニョンが2人に対して「人生から出て行ってくれ」という番になりました。2人が傷つく前に、苦しむ前に。だからこれは完全に優しさから出てきている言葉だからね、悪意ゼロの言葉。

でも今回は逆にガンテが諦めなかった。過去のムニョンを彷彿させる「愛してる連呼」により、ムニョンの心を引き戻したから。よかったね、ムニョン。愛される喜びと、愛する幸せを知ることができて。本当によかった。

 

てかムニョン役のソ・イェジ、美しすぎませんか。どんな奇抜ファッションも着こなすし、ウエストも足も細すぎるし、かといえばおっぱい大きいし、最強かよ。峰不二子かお前は。

 

ムン・サンテ(演:オ・ジョンセ)絵の実力はんぱなくない?

褒められることはなんども何度も同じ話繰り返したり、子供のようにはしゃいだり、かといえば兄貴風吹かせてガンテが元気ないときはご飯奢ったりお小遣いあげたりと、不思議なキャラクターでしたね、サンテ。絵が天才的にうまいんだけど、あれどこで勉強したのマジで。最終的に挿絵作家として生きていける道筋を作ったから、実力者ですよほんと。

 

ただ一個気がかりなのが残ってるんですけど、幼少期に川で溺れてガンテに見捨てられて、それずっと覚えてたじゃないですか。それはいいんですけど、結局ガンテに助けられて、そのあと代わりに溺れたガンテを見捨てて去って行ったじゃないですか。これについてはどうご説明するんじゃ!?

ガンテもびっくりじゃない?「え!?僕助けられないの!?え!?」って兄さん恨むとこでしょ。いや一度見捨てたとはいえね、ムニョンが助けてくれなかったら死んでたのガンテですから。それなのに悪いのは全部ガンテみたいになってるし、ガンテも責任感じて人生を兄に捧げるしって感じで、ここがちょっと腑に落ちなかったかな。

本当のお兄さんなら、自分に人生を捧げて尽くしてくれる弟を、もっと早く自立させてあげるべきだったと思う。まぁそこも含めて、最終的にガンテを解放してムニョンと一緒にいることを認めたのだから、ガンテも成長したということでしょうけどね。

 

ムニョンとサンテの共作「本当の顔を探して』を文字起こししてみました。

『本当の顔を捜して』

むかしむかし深い森の奥の城で、影の魔女に本当の影を奪われた3人が一緒に暮らしていました。口角が上がった仮面を付けた少年と、音がうるさく響く空き缶姫と、箱をかぶったおじさんがいました。

顔を奪われ無表情になった彼らは互いの気持ちが分からずケンカばかりしていました。

箱おじさんが言いました。3人で仲良く暮らすために奪われた顔を取り戻そう。キャンピングカーに乗って旅に出た3人は 雪原に座り込んで泣き続ける母ギツネに出会いました。仮面少年が母ギツネに尋ねました。「なぜ泣いてるんですか?」

雪原で餌を探していた時に おぶっていた子供がいなくなってしまったの。涙が枯れてしまうほど泣いた母ギツネを見て 仮面少年の目から熱い涙があふれました。すると雪がとけ始め 中からカチカチに凍った子ギツネが現れました。

再び旅に出た3人はいばらの園で 服を脱いで踊るピエロに出会いました。空き缶姫が尋ねました。「トゲが刺さってるのになぜ踊り続けるの?」「みんなに見てもらいたかったんだ だけど痛いだけで誰も見てくれない」

すると空き缶姫はいばらの園に入り ピエロと一緒に踊り始めました。「私は空き缶だからトゲが刺さらないの」

空き缶姫が飛びはねながら踊ると 空っぽの体からカラカラ カラカラと音が鳴ったのでした。その音を聞いた人々が集まり2人のダンスを見て拍手を送りました。そしてその時ー(ムニョンとサンテのケンカにより中断)

奪われた顔を取り戻そうと再び旅に出た3人の前に 邪悪な影の魔女が現れました。

母ギツネの代わりに泣いた仮面少年と ピエロと踊った空き缶姫をさらっていきました。「これでお前たちは幸せな顔を見つけられない」

魔女は呪いをかけモグラの穴に閉じ込めました。数日後 箱おじさんが穴を見つけましたが 入り口が小さくて中へ入れませんでした。「どうしよう モグラの穴に入るには箱を取らなきゃいけない」

その時 穴の中から仮面少年の声が聞こえました。「おじさん 気にせず遠くへ逃げて 魔女が戻ってくる」

箱おじさんは勇気を振り絞りました。かぶっていた箱を投げ捨てて穴へ入り 仮面少年と空き缶姫と助けました。明るい場所に出た2人は箱を取ったおじさんの汚れた顔を見て 声を出して笑いました。けらけら けらけら。

笑っていた仮面少年の仮面がポトッと落ちました。空き缶姫の空き缶もカンッと鳴って落ちました。本当の顔が現れた2人を見ておじさんが言いました。

「幸せだ」「ああ 幸せだ」

影の魔女が奪ったものは 3人の本当の顔ではなく 幸せを探そうとする勇気だったのです。

 

最後に

この絵本にはこれまで接してきた精神病院の人たちが登場します。3人が触れてきた全ての人たちが思い出になって生まれた作品なんです。ずっと殻に閉じこもって幸せを探す旅にでなかった3人が、触れ合って共鳴することで幸せを探す勇気を得たんです。

自閉症や、精神を病んだ人たち、サイコパス…難しい設定を心温まる作品に昇華した最高のドラマでした。

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