RADWIMPS

RADWIMPS『世界の果て』感想。明日世界が終わるなら、君の元へ向かうと歌うのは。

2020年3月11日(水)、今年もRADWIMPSが東日本大震災の追悼日に合わせて新しく曲を公開しました。タイトルは『世界の果て』。

震災から9年。ほとんど毎年曲を公開し、今年で8本目になる。今年は新型コロナウイルスが世界的に感染拡大していて、被災地で予定されていた追悼イベントは多くが中止、もしくは規模を縮小して行われることになった。自粛ムードが続くのはやむをえない。それでも、それだからこそと曲を届けてくれたRADWIMPSには全力で感謝したい。いつも本当にありがとう。僕らは日々何気なく生活していて、いつだって震災のことを思っているわけじゃない。でも忘れてはいけない。どれだけ多くの尊い命がなくなり、今なお不自由な生活を余儀なくされている人がいること、復興に向けて全力で取り組んでいる人がいること、忘れてはいけない。RADWIMPSが曲を届けてくれることで、またその思いを聴くことで、曲を聴くたびに思い出させてくれます。

 

世界の果て RADWIMPS

以下、野田洋次郎氏コメント全文

「あれから9年、今年も曲を作りました。期せずして2020年3月11日現在、世の中はウィルスという社会的危機の中にあります。情報が氾濫し、歪んだ感情も溢れているように感じます。人々の姿こそウィルスよりも脅威に感じる瞬間があります。何かのキッカケで一気に崩れ落ちていってしまうのではないか、そんな緊迫感があります。それでも、それだからこそ今年も変わらずあの3月11日に想いを巡らせ、そこに『今』の空気を混ぜて一つの曲にしたいと思いました。なるべく素直に、思いのままに作った結果今年はこのような曲になりました。絶望感がありながら、どこかそれは懐かしく優しいものに自分は感じたのです。色んな声があると思いますが、受け取ってもらえたら幸いです。
年々薄れていく記憶。それでも癒えることのない傷。新たに生まれる災害。すべての痛みに向き合っていたら到底心が追いつかない時代に僕たちは生きているのかもしれません。日々の小さな幸せに、眼を向けることを忘れずに生きたいです。

今年も録音は菅井さん、映像は島田さんにお願いしました。ありがとう。
来年は震災から丸10年。一つの節目となります。この国で10年間歳を重ねてきた僕たち自身への一つの投げかけにもなる年だと思います。
「あれから、僕たちはどう生きたか」
そんな問いに、まっすぐ眼を見てこたえられるように、生きようと思います。
9年前の東日本大震災で亡くなったすべての命に、今も被災し続けるすべての方々に、合掌。

洋次郎」

 

毎年、野田さん自身が綴るこのコメントを待っている自分がいます。誰よりも言葉が響くから。あの3月11日に想いを馳せて、そこに『今』の空気を混ぜて生み出されたこの曲です。

MVはどこまでも映し出される『日常』

映し出されるのは学校やマンション、そのベランダ、工事中のクレーン、高架線下を走る車、住宅の路地、階段を登るサラリーマン、線路や電車、歩道橋、桜、何気なく置いてある自転車、エトセトラ、エトセトラ…。

 

意図してなのか、この曲は3分11秒で突如ブツッと終わる。ここからは個人的な解釈になるけれど、僕らはいつだって明日自分が死ぬなんて思って生きていない。高齢になっていたり、余命を言い渡されていたり、治安の悪い国で暮らしている場合などはもちろんそうではないだろうけれど、この国に生きる多くの人々はいつまでもこの毎日が続くと思ってる。

でも、東日本大震災のように、突如襲いかかる天災は容赦無く、そして簡単に命を奪っていく。続くと思われた毎日は、あると思っていた明日は、あっという間に奪われてしまう。この曲のように、ブツッと終わる。

「明日もしも世界が終わるなら、何をしたいか?」そうやって考えたことは誰しもあるかもしれない。大切な家族と一緒に過ごす、好きな人に会いにいく、美味しいものを食べる、行きたかった場所に行く、そんな答えが浮かぶけれど、実際は明日世界が終わることを神様は教えてくれない。勝手に終わって、願いを叶えている時間はない。

 

『世界の果て』は「明日もしも世界が終わるなら」で始まる。そして歌われるのは、もう死後の世界だ。そのあとに続くのは何があるのか、誰もわからない。地獄なのか、ワンダーランド(すばらしい場所)なのか。考えてもわからないから、君の元に向かうと。

「時が経つにつれて徐々に水底にゆっくり沈んでいくかのように君の顔もおぼろげになってしまうのはなぜ」とあるように、ここで歌われる”君”とは東日本大震災で命を落とした”君”だろう。忘れたくたくなくても、悲しいかな、時の経過とともに少しずつ忘れていってしまう。それでもおぼろげになった君を、君の姿形、色とか匂いのすべてなくとも、一筋のあなたの声を命の糸に結んで、必ず君の元に向かう。

 

野田洋次郎が死後のワンダーランドを歌ったのはなぜだろう

野田さんは「なるべく素直に、思いのままに作った結果今年はこのような曲になりました。絶望感がありながら、どこかそれは懐かしく優しいものに自分は感じたのです。色んな声があると思いますが、受け取ってもらえたら幸いです」とコメントしている。

明日世界が終わる話をするのはもしかしたら不謹慎かもしれない。そう思う人もいるかもしれない。でも素直に思いのままに作った曲がこの曲なのだ。

もし明日世界が終わるとしたら、亡くなった君に会いにいく。それは君への強い思いだ。また君に会いたいと思う心だ。それは何よりも君を忘れない証だ。野田さんはあえて世界が終わるとして、亡くなった人への想いを、強く綴ったんじゃなかろうか。

 

世界はいつ終わるかわからない、とてつもない地震や津波、新型のウイルスに侵されて人類は滅亡する可能性だってゼロではない。だからこそ、この毎日を愛おしく、尊く思って生きたい。この曲『世界の果て』を聴いて、僕はそう思った。

震災にあわせて作られたこれまでの7曲とはまた変わった曲だった。過去を歌うのではなく、未来、いいや、その先。また聴いていきたいと思う曲だ。人間いつ死ぬかなんてわからない。だからこそ、日々を大切に生きていくために。

 

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