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『あと1センチの恋』はもどかしくやるせないすれ違いの物語【ネタバレ感想】

こんにちは、さいちゃん(@saichans_b)です。

互いに想い合っているのに、”好き”と言ったら壊れてしまいそうで、言えなくて。この作品は好き同士だった幼馴染の二人が12年間すれ違い続けたラブストーリーなんですが、まぁ見事にすれ違ってて、運命に見放されすぎてて、ずっと歯がゆくてもどかしくて、モヤモヤします。

なんか内臓を内側からこぶしでグリグリやられてるような感じ。見終わった後にいろんな人の感想を見てると「良かった!」「最高!」って声が多くて、でも僕はそうならなくて、見て良かったとはとても思うんですけど爽やかな感じにはならなかったです。この差は何かなーって考えたんですけど、登場人物のアレックスとグレッグをぶん殴ってやりたい気持ちが強いからだということに気づきました。

ただ!本当に見て良かったです。ヒロインに襲いかかる不幸も実際に起こりうることだし、人生何がきっかけで狂うかわかんないぞってことも、好きな人には後悔しないようにちゃんと向き合えよってことも、子どもは天使だってことも、リリー・コリンズがかわいすぎることもたくさん教えてくれます。

 

あらすじ

ロージー(リリー・コリンズ)とアレックス(サム・クラフリン)は6歳からの幼なじみで、ずっと一緒に青春を過ごしてきた友達以上、恋人未満の間柄。くだらない話も夢の話も恋の話も、なんでも2人は共有してきた。そして二人の夢は、この小さなイギリスの田舎町を離れ、アメリカのボストンにある大学へ一緒に進学すること。ところが、ある日ロージーがクラスで人気の男の子と一夜を共にし、妊娠してしまう。2人は再会を誓い、ロージーは地元に残り、アレックスをボストンの大学へと送り出す。お互いを想いながら言葉にできないままに・・・。初めて別々の人生を歩むことになる2人。記憶の掛け違い、誤解、恋のライバル、読まれることのなかったラブレター、運命のいたずらに翻弄され、12年間も2人は近づいては離れていくが・・・。

 

予告

映画『あと1センチの恋』予告編

映画見てからこの予告見たけどめちゃくちゃいいな…。

さて、では以下ネタバレで感想を書いていきます。

 

ロージーの悲劇な人生の始まり

もうわりと最初からぶっ飛んだ展開なんですよね。開始15分で衝撃受けます。ロージーがクラスの人気者のグレッグとセックスするんですけど、グレッグは実は童貞でコンドームつけるの超手間取るし、やっとつけれて挿入したかと思えば2秒でイく。のくせに「良かった?」と聞いてくる意味不明さに呆気にとられたロージー(リリー・コリンズ)の表情is120点なんですけど、なんとコンドームが見当たらない。中で外れて、しかも取れなくて、病院で男性医師に外してもらう陵辱を受けます(しかもこいつのデリカシーのなさが異常)。

そして最悪なことに妊娠。ピルも飲んでたのに妊娠。最悪。そしてグレッグは話を聞いた途端逃げ出したクズやろう。ほんとあいつ原型変わるほど顔面ぶっ飛ばしてやろうか。

 

ボストン大学に行って勉強しホテルの経営者になる夢が絶たれるわけです(親がカトリックで中絶できない、そうでなくても中絶はできないという意思)。でも養子に出せば夢は諦めないで済む。と思っていたけど、いざ赤ちゃんが生まれてその姿を見たら、もう手放せないんですよね。ここすごく好きでした。母の愛。のちに「ケイティを生んだことは後悔してないわ。あの子はわたしの宝物」というセリフも素敵でした。

 

グレッグが心底救えない

で、逃亡したグレッグなんですが、ケイティが学校に通うくらい大きくなってからなんと戻ってきます。実はずっと娘を気にかけていたと。改心したと。またチャンスをくれと。

なるほどね。って、は?????いやお前、今までどこいた?????何ノコノコと今さら???マジでお前は今すぐ顔面から肥溜めに落ちてきてくれ頼む。

で、ロージーは激しい剣幕で怒鳴るわけですが、結局許しちゃいます。その前にケイティがお父さんとお母さんと手を繋いで歩く絵を描いていたのをロージーが見て、父親がいなくて寂しい思いをさせてることを忍びなく思い、またその気持ちを埋めてあげたかったのでしょう。

ただ戻ってきたグレッグは、意外にもちゃんと父親してるんです。ケイティもすぐ懐くし、しかも腹筋割れてて超いい体してるし、セックスも上達してるし。でもちゃんと化けの皮は剥がれるもので、ロージーの父親の急死の時は最悪でしたね。酔って親戚の話はつまらんだの、きてくれたアレックスに暴言吐くなど、てめえ墓送りにしたろうかって思いますね

んで極め付けは結婚記念日の浮気発覚でジ・エンド。ロージー大人だよ君は。一発で済ませてあげるなんて。でもこっちは気が済まないよ。あと5億発殴ってほしかった。

 

アレックスはクズだけど優しいからギリ救える

アレックスとロージーの信頼関係すごすぎだろって思ったのが、ロージーがグレッグとのセックスでコンドーム詰まらせて最悪な状況に助けを求めたのがアレックスだったこと。これ何気にすごくないですか。グレッグはクズやろうだから頼りにならないとしても、助け求めるなら普通女子ですよ、せめて(そもそもグレッグとセックスしなければ感がすごい)。だからこの信頼関係は強いなって。逆にここで助け求められたらアレックスも(俺のこと男として見られてないのかな)と思うと思いますけど、そういうのがこの映画では幾度も出てくるわけで、もはやわざとかのようなすれ違いを見せてくれるわけです。

それにしてもこのあとのアレックスの対応が優しかった。一緒にこの街を出ようと言って、自分はハーバード大医学部、ロージーはボストン大でホテル経営を学ぼうと誓いを立てるとこ良かった。(てかアレックスめちゃくちゃ頭いいじゃねえか!)

アレックスは優しいところがたくさんある。ロージーが子ども生まれたのを知ったらすぐに駆けつけて(アメリカからイギリスなので簡単に来れる距離ではない)、父親の代わりを言い出したところも良かった。少なからずロージーはあの一言で救われた。

でも、アレックスの悪いところはあまりにも切り替えが早すぎるところで、その直後に美人のサリーと知り合ったら即付き合う。サリー美人すぎるし、これでハーバード医学部って天は二物を与えすぎだろって思うし、兄と似てなさすぎるだろって思うわけですが、アレックスの切り替えは早きこと風の如し。

アレックスは子どもの頃から変な夢をそれを恋人のサリーに話しても全然理解してもらえなくて、「矢になった夢を見た」と言ったら「もっと実用的なものになって」とか言われちゃうんですよね。アレックスは夢の話を楽しんでほしいし、共有したいのに、サリーとはその部分は分かちあえない。きっとロージーなら喜んで聞いてくれるって、寂しさが募って連絡するんですよ。アレックスにとって変な夢は幼い頃にロージーと共有した思い出であり、特別なものなんですよね。だから夢の話が分かち合えないことはアレックスとサリーの別れの象徴なのかなと思いました。

でもロージーにサリーの妊娠を隠して思わせぶりするのは最悪だし、喧嘩してから「生まれてくる子に寂しい思いをさせない」とロージーが一番気にしてることを言ったのは万死に値するセリフでしたね。本当はそんなこと思ってないのに、喧嘩してヒートアップしてるときは意図的に相手が気に触ることを言ってしまうものだけど。

 

あとロージーの父親の急死のとき、駆けつけて「君の父親を尊敬してた」という言葉をかけたのはとても良かった。アレックスはロージーが弱っている時に一番かけてほしいセリフをかける。そのあと「どんな時もそばで支え君を包み込める」という手紙も良かった。でもそれはグレッグに隠蔽されてしまい、そのあと(手紙を読んでいると思っている)ロージーが今の生活が幸せだと言ったから諦めるのはわかる。でもだからって、べサニーと数ヶ月に婚約って切り替え早すぎだろ。しかもロージーに結婚式の付添人を頼むってお前生まれ変わって女心学び直してこいマジで

 

で、ロージーは大逆転を求めて結婚式に乗り込むわけですが、式はすでに終わっていて、披露宴でスピーチをするんです。このスピーチが神だったので全文載せていいですか。

 

ロージーの心をえぐるスピーチ

 

「私の18歳の誕生日に、私たちは死ぬほどテキーラを飲みました。記憶が飛ぶほど酔っ払ったわ。大げさだと思うでしょうが本当に記憶がないんです。

人生のパートナーの選択は、私たちにとってどんな決断よりも重要です。間違えれば絶望が待っています。ある朝目が覚めるとそのことに気づくんです。でも後戻りはできません。お互いそれを思い知ったわ。あなたの友情が私の人生を光り輝かせたわ。暗闇でも照らし続けてくれた。その光をもらえた私は世界一幸せ。当たり前のようにあなたはそばにいてくれたわ。その価値に私は気づかなかったの。でもこれでよかった、本当に。わかったの。あなたがどこにいて誰と何をしようとも…私はいつだって、正直に、本当に、心からあなたを愛してる。兄を慕うように、親友を思いやるように、あなたの夢を守り続けるわ。それがどんなに、変な夢でも。

みなさん、乾杯しましょう。新郎新婦を祝して。結婚、おめでとう!」

 

このロージーのスピーチは完全に愛の告白です。最後は兄を慕うように、親友を思いやるように、とは付け加えるけど、もう完全に愛の告白。静まり返る会場。殺し屋の目をするべサニー。そして心をえぐられたアレックス。

 

アレックスの最大の同情ポイント

この後に二人の盛大なすれ違いの最初のポイントが発覚するわけです。18歳のロージーの誕生日、二人はキスしていたこと。ロージーは完全に記憶を忘れて、翌日会いに来たアレックスに「(昨夜のことは)思い出すだけで吐きそう」「(どこらへんがと問うアレックスに)全部よ。誰にも話しちゃダメだからね」と言うんです。

ロージーは記憶を失って暴れたことを言っているんですが、アレックスはキスしたことと勘違いする。二人の初めてのキスの思い出を、思い出すだけで吐きそう、誰にも話しちゃダメと言われたら、これはトラウマになります。そう、ここがアレックスの最大の同情ポイント

トビーにキスされて、なかったことにしたいと呟くケイティにアレックスは言います。「それは大きな間違いだ。彼は大きな傷を負い、心の穴を埋めるために別の子を探し求める。そして結婚してから言い聞かせるんだ。彼女は完璧だと、幸せな結婚生活だと。でも穴は埋まらない」

これがアレックスの心の叫び。これは同情せざるを得ない。

ダンスパーティも、アレックスは本当はロージーと踊りたかった。でもべサニーがその時声をかけてきて、嫉妬したロージーが私はグレッグがいるから大丈夫と強がったことで、最悪な展開が始まるわけです。

まぁでも、アレックスの切り替えの早さは同情できないけどね。そこだけはほんとごめん。サリーの件もべサニーの件も、お前もう少し我慢しろ!!って言っちゃいたいです。

 

あと1センチの恋

届かないあと1センチの距離。アメリカ行きの空港で抱き合った時、あの1センチの唇の距離が、綺麗でした。キスも心もいつでもあと1センチだった二人の恋。

最後の最後にホテル経営の夢が叶ったロージーを訪れてくれたアレックス。べサニーとは別れて、ようやく二人は二人で歩き出します。

もう不運使い切ったと思うから、ようやくようやく結ばれたアレックスとの恋を純粋に楽しんでほしいし、心ゆくまで幸せになってほしいな。

 

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