邦画

『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』は残酷な時の流れで迎えるハッピーエンドがすごすぎる【ネタバレ感想】

こんにちは、さいちゃん(@saichans_b)です。

突然ですが皆さん、胸が締め付けられて、心が張り裂けそうになって、悲しくて、切なくて、観終わってから一週間引きずってしまう、そんな映画に出会ったことがありますか?僕はあります。それが本作『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』です。観るの二回目なんですよ。一回目観たときも、無茶苦茶に泣いちゃって、「あぁこれ辛くてもう観れないわ…」なんて思ってたんですけどね、観終わってからもずっと引きずってたし。エンドロールで流れるbacknumberの『ハッピーエンド』がまた良くて、それをipodで聴いてはまた思い出しちゃって泣けてきちゃったりして。でもちょっと、このブログで小松菜奈の作品はできるだけ感想書いていこうと思ったので、また観てみました。結果めちゃくちゃ号泣。

これ観た人はわかると思うんですけど、二回目以降に観るとこれがまた、最初から号泣しちゃいます。主演の二人が出会うシーンでもう大号泣。もう本当に苦しくなります。切なくなります。観たことない人はぜひ観てほしい。

予告

福士蒼汰が号泣!『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』予告映像

 

かなり簡単にあらすじを話すと、美大に通う南山高寿(福士蒼汰)が電車で一目惚れした福寿愛美(小松菜奈)と恋をしていくんですけど、順調にいくと思われたその恋は信じられない事実を受けて、まさかの運命をたどるんです。どうしても涙なしには観られない作品。

監督は三木孝浩さんですよ。もうこの人に青春映画撮らせたら最強だから。『ソラニン』も『アオハライド』も『坂道のアポロン』もこの人。ありがたやありがたや。

 

さてここから先はネタバレ含みますので、映画を観てからの方が楽しめます。

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個人的に印象に残ったポイントを書いていきます。

「時間の流れが逆方向に進む」設定が残酷すぎる

『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』というタイトルからなんとなく想像はできるんですけど、この設定があまりにも残酷。

「5年に一度、月が欠けて満ちる30日の間だけ」しか二人は会えない。そして時間の流れは逆に進むから、高寿が歳を重ねるごとに愛実は子供になっていくし、逆に愛美は歳を重ねるごとに、高寿が子供になっていく。互いに自分にとっての未来は、相手にとっての過去になる。

高寿は5歳のときに宝ヶ池の桟橋で溺れて死にかけた時、35歳の愛美に命を救われた。逆に高寿は35歳になって、祭りで爆発事故に巻き込まれそうになった5歳の愛美を助けた。二人は過去に相手の命を助け合った特別な関係で、助け合っているからこそ二人は20歳の時に初めて、同じ年齢で出会えた。そしてこの30日間という限られた時間しか会えない。その事実を高寿は途中で愛美に聞かされて、葛藤していくんです。未来に進むほどに、愛美の過去に戻っていくから。昨日の思い出を共有できなくなるから。そして、もう会えなくなっていくから。

 

いやほんと、悲しすぎませんかこれ…。高寿にも愛美にも感情移入して、身が引き裂かれる思いです。思い出は二人で作るから楽しいのであって、「過ごしてきた時間を共有できない」というのは思っている以上に辛いと思います。

高寿も言うんですよね、「今まで一緒に過ごしてきた思い出全部を君は知らない」「あれは全部メモ帳に書いていることををなぞっているだけの演技ってことなのか…」と。今過ごしている二人のデートも、これは予定されていることをこなしているだけじゃないかって、疑心暗鬼になる。「愛美と会っているのに、愛美じゃない感じがして、一緒にいると辛い」といって愛美を残して帰ってしまう高寿。引き止める愛美に対しても「こうなることも予定通り…?」とキツい言葉を浴びせてしまう。

 

愛美の涙もろさの理由を知って涙が止まらなくなる

そんな苦悩の最中に高寿は気付くんですよね、「愛美はいつも不思議なタイミングで泣いていた」と。初めて出会った日「また会えるかな」と高寿が言った時、「付き合ってください」と告白された時、「愛美ちゃん、高寿くん」と下の名前で言い合うようになった時、初めて手を繋いだ時、自然な会話の流れで「えみ、たかとし」と呼び捨てし合うようになった時、初めて二人が体を重ねあった日。愛実、めっちゃ泣くんですよ。でもこれは、高寿にとっては初めてでも、愛美にとっては最後になってしまうことだから。段々高寿にとって知らない人になっていくんです、これは愛美は言葉では言い表せないほど辛いはず。

 

ここで高寿は「愛実はいつも頑張ってくれていたんだな…」って気付くんです。辛くて苦しいのは、自分だけじゃないんだって。それに気づけたから、二人は愛し合っていたから、この危機を乗り越えたんです。もうこのシーンは号泣です。みんなグスグスハンカチ取り出してるとこです間違いなく。何度見てもバックミュージックに流れる優しい音楽と福士蒼汰の声が響きすぎて泣けます。

 

そこから二人は、残された日々を大切にしようと、思い出づくりをしていきます。「おはようございます!今日は伏見稲荷に行きます!」ともはや堂々と予定を連絡してくる愛美も、笑顔で「はい!」と答える高寿も微笑ましかった。上山(東出昌大)たちとの屋上バーベキューで、愛美は本当は初めて会う上山に「久しぶりー!!」と笑顔で話しかけにいくのも強すぎると思った。本当に愛美は頑張っていた。

29日目は二人で高寿の実家に行って、そこでビーフシチューの隠し味も知って、愛美にとっては二日目なのに、ちゃんと彼女になっていて。

30日目、これまでの日々の詳細を話しながら「こんな台本通りにやっていったら愛美はちっとも楽しくないじゃないか」という高寿に愛美は「そんなことないよ、何があるかわかっていても、楽しいものは楽しいよ」と返します。ここが素敵だと思ったし、本当にそうだと思った。

未来のことを知っているなんて、予知能力がない限り僕たちには無理だけど、もし好きな人と何をするかがわかっていたら、それはそれで楽しいんじゃないかなと思う。だからきっと、愛美にとっても二人で過ごした時間は本当にかけがえのないもので、心から楽しかったんだと思う。

 

ハッピーエンドで終わらせる強さがすごすぎる

そして物語は30日目を終えて、初めて愛美目線に切り替わります。二人の思い出が、段々愛美にとっての「最後」になっていく悲しみで涙しながら、かけがえのない30日を過ごしていく。なんども書いたけど、本当に残酷なんですよ、この時の逆の流れについては。愛美にとっての最後の日、高寿にとっての最初の日、高寿は愛美に「また会えるかな?」って聞くんです。泣くしかないじゃないですか。高寿は会えるけれど、愛美はもう、会えないんだから。だけどそれでも、高寿のために、いや二人の運命のために、「また明日ね」って告げる辛さは、どこまで泣いても拭えないものだと思います。

高寿と愛美、どちらが辛いかと言われたら、愛美だと思う。高寿は時の流れにしたがって愛美と仲良くなっていけたけれど、愛美は逆に高寿と初めて会う関係に戻っていくんだから。最後はもう、自分が高寿の知らない人になっていくんだから。愛美が電車に乗って座り込んで号泣したシーン、ここももう号泣です。こんなに辛いことないよ…。

 

でも、でも。愛美にとって最後の日、電車で高寿を見つけて本を取り出して、「彼の元へ、たどり着いた」と言う。幸せそうな微笑みを見せて。そしてエンドロールに流れるのがbacknumberの『ハッピーエンド』!!!!!

back number – 「ハッピーエンド」Music Video

 

そう、ハッピーエンドなんです。こんなに辛い物語だけど、愛美にとっては、子供の頃に出会えた素敵で、大人な高寿の過去に出会っていけて、悲しいけれど、嬉しかったんです。だからハッピーエンド。二人にとって、けして悲しい終わりじゃないんです。

身を引き裂かれるほど辛い別れなのに、これまで愛し合った運命の人が、これから自分との素敵な日々を過ごしていける嬉しさを、きっと感じたんです。ねぇ、そうでしょう。観た人たちはみんな辛かったと思う、悲しかったと思う。でも、その感情で終わったらダメだよ。ちゃんとハッピーエンドで終わらせましょう。高寿、言っていたでしょう?

「ぼくたちはすれ違ってない。端と端を結んだ輪になって、ひとつに繋がっているんだ。ふたりで、ひとつの命なんだ」

 

「時間の逆の流れ」を知っていた愛美、知らなかった高寿

二人の大きな違いは、「時間が逆に流れていく事実」を知っていたか、知らなかったか。愛美は、15歳の時に25歳の高寿に聞かされるんです。二人は20歳の時に出会って、恋人になって、30日間素敵な日々を送っていくことを。

ここで不思議なのが、逆に15歳の高寿は25歳の愛美と出会ってないんですよね。高寿が10歳の時には出会っていて、30歳の愛実に鍵のかかった家族写真の入った秘密の箱を「次に会うまで預かってほしい」と渡されるんですけど、次に会うのは高寿が20歳の時だから。だから高寿は「時間の逆の流れ」を20歳で初めて知るし、5歳の時に命を助けてくれたのが愛実だってことも知る。それを15歳の時に25歳の愛美に出会って、教えてもらってもらっていればまた違ったんじゃないかなとも一瞬思ったんです。

でも、そうじゃなくてよかったんだと思います。だって、15歳のときにいきなりまた命の恩人の女性が現れて、「君が20歳の時に、私も20歳になって、私たちは恋人になって愛し合うんだよ」なんて言われても、わけわかんないじゃないですか。誰も信じませんよね。だから高寿が時間の逆の流れを知るには、二人が同じ歳で出会って、恋人になってからじゃないとダメだったんです。二人が一緒に過ごす日々に、それでもどうしても生じてしまう違和感(教室に張り出されるキリンの絵を愛美が知っていたことなど)があったからこそ「時の流れが逆に進む世界からやってきた」なんて信じられない話を信じられたんです。

 

最後に、小松菜奈の可愛さが異常

小松菜奈の作品を観るたびに、「この作品が一番かわいい」と思うんですけど、本作の小松菜奈のかわいさは天使級です。いや、『バクマン』も『坂道のアポロン』、『恋は雨上がりのように』の小松菜奈も最高なんですけど、『ぼく明日』は終始悲しみが纏っていて、限られた一日一日を、楽しく、苦しく、大事に過ごしていく表情が、とても沁みるんですね。

あと、いちいちもう男がメロメロになる仕草をやってくれるの。

雑貨屋でこれかわいいって目を輝かせたりとか、「ピザおいし〜〜。 あの唐揚げも食べよう? 唐揚げ普通だったからもう一回ピザ食べよう?じゃないと私の中で終わったことにならない」とか、「(付き合ってから名字で呼び合うのは)潤いが足りない!」とか、展望台で椅子に高さが合わないのに対して「ダメだよ、君ぃ」と言ったりとか。全部満点。こんな彼女がいたらいいなって思う仕草全部やってくれています。最強でした。ありがとうございました。

 

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