邦画

映画『恋は雨上がりのように』ネタバレ感想 ひたむきな想いと優しさが雨と共に溶け合っていく

こんにちは。さいちゃん(@saichans_b)です。

やっと観れました。小松菜奈の出演映画を観たのはこれで7作目。『渇き。』『溺れるナイフ』『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』『さよならくちびる』『坂道のアポロン』『バクマン』そして、本作『恋は雨上がりのように』。

ずっと観たかったんですよ。まずタイトルがいいじゃないですか。『恋は雨上がりのように』。恋と雨の組み合わせに間違いが起こるわけない(確信)。

 

17歳の女子高生が45歳バツイチ子持ちのおじさんに恋するストーリーなんですが、その恋に至る繊細な心も、ピュアに反応する女子高生の恋煩いも、おじさんの戸惑いと喜びも、それをけして嫌味なく綺麗に、そして楽しく魅せてくれる作品でした。

そして恋だけじゃなく、人生、夢、友情、大切なことがたくさん詰まっていて、何度でも観たいと思える映画です。

予告

「恋は雨上がりのように」予告

監督は『世界から猫が消えたなら』の永井聡。この作品も好きですね、シリアルな設定をコミカルに描きつつ、真剣に考えさせてくれる。『恋は雨上がりのように』もまさにそのような映画でした。

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キャストが最高なんですよね、まずは小松菜奈が最強に美しいと思うんですけど、小松菜奈が最強に美しいんですよね、そして小松菜奈が最強に美しいんですよ。橘あきらというクールな美少女の繊細に揺れ動く心情をうまく演じきっていました。その圧倒的な目力には感服せざるを得ません。あんな小顔で妖艶な美しさを放ちあそこまで目力強い人、他にいるだろうか、いやいない。

 

そして大泉洋。近藤正巳という45歳バツイチ子持ち、冴えないファミレスの店長役なんですけど、なんかもう大泉洋の雰囲気そのままって感じのハマり役でした。絶対撮影も楽しかったろうなって想像できちゃう。

 

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あと個人的に松本穂香出てたの嬉しかったし(かわいい)、葉山奨之はNetflixでテラスハウスをかかさず見ている僕からしたら「しょうちゃん出てたのかよ…小松菜奈と共演してただと…」と嫉妬心を抱きました。やるなしょうちゃん。※「しょうちゃん」はテラスハウスのスタジオメンバーからの愛称です。

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そして山本舞香。あまり彼女の作品は知らないんですけど、Netflixの『やれたかも委員会』の第五話のマチルダ役で出演していて、あ、マチルダだ!って思いました(かわいい)。

※『やれたかも委員会』を見ていない人は面白いので絶対みてください。

 

以下はネタバレありなので、作品を観ていない人はご注意を。

 

『恋は雨上がりのように』、冒頭から最高

 

で、この映画は最初から全力で最高。見ます?最初からエンジン全開の小松菜奈見ます??いきますよ???

 

 

なにこれ!!!

ちょっと監督さん!?!?こんな小松菜奈もってくる!?!?

どこぞのヒーロー戦隊かな?ってくらいの登場で、一瞬で「あ、この映画ギャグエキス入りまくってんな」って理解できちゃいます。

冒頭ダッシュでバイトに向かう際にスライディング決めながら全力疾走の小松菜奈。その際にキャスト紹介もあるんですが、人物名が雨模様のように輪が広がる感じで映るので、”雨”を意識していて好きです。

 

17歳の女子高生のどこまでも純粋な恋

17歳女子高生(しかも陸上部のエースでスタイル抜群に良くてかわいい!)と45歳バツイチ子持ちのおじさん(冴えないファミレス店長!)だったら普通に考えてなかなか難しい恋だとは思うんですよ。28歳差ですから。二人とも大人だったら全然あると思うんですけど、相手が女子高生だったら45歳バツイチ子持ちはさすがにちょっと怯むかもしれない。

 

でも小松菜奈演じる橘あきらが純粋にどこまでもまっすぐなんです。友人やバイト先の人からも「おじさんじゃん」「だってクサいし」「絶対にうまくいかない」等々否定的な意見ばかりもらうんですけど、でもあきらの強い気持ちはそんな意見にまったく流されず、本当にピュア。

 

アキレス腱を怪我して陸上の夢を諦め、絶望に暮れていたあきらが立ち寄ったファミレスで店長である近藤の優しさに触れたことが恋のきっかけになります。コーヒーをサービスして、ちょっとした手品で楽しませて、些細な優しさだったかもしれないけど、それが雨のように沁みたんです。

 

どうしようもないくらい悲しいときとか、絶望に暮れて泣きたいときとかに触れる人の優しさって、驚くほど心を貫通してくるんですよね。今やさしくされると好きになっちゃうっていう。そんな経験、皆さんもないですか?それがあきらにとっては45歳バツイチの近藤だったんです。色々なネガティブ要素も弾き飛ばすくらい、まっすぐな気持ちで。

 

その人は、どしゃぶりの心に傘をくれた」が映画のキャッチコピーなんですが、もう名コピーすぎてこれを考えた人は流石にノーベル賞取ってることでしょう。

45歳バツイチ、でもひたすら優しい

思いを告げられた近藤は、なぜ自分が17歳の魅力的な女子高生に恋をされているのか戸惑います。あきらが「人を好きになるのに理由なんていりますか」と尋ねる場面がありますが、近藤は「僕と君の間には理由がいるでしょう」と返すのですが、自分でその理由が全くわからないのです(そしてあきらも答えない)(でもその人柄が魅力的なんだよ店長!!)。

 

45歳、バツイチ、子持ち、うだつの上がらないファミレス店長、イケメンでもない、お金もない、加齢臭・・・

 

と、挙げだしたら止まらない中年男性の残念な特徴を自覚している近藤は、あきらとのデート中も周りの目を気にしてしまう。

 

まっすぐに自分を好きでいてくれるあきらに好意は抱きつつも、気持ちには応えられないという返事をするわけだけど、あきらに対してはとても感謝している。

そして陸上への復帰を後押しするために、自分の息子にかけっこを教えるように頼んだり、もうバイトには入らないでいいと言ったり。結局ぜんぶ優しいんだよな。

 

印象に残ったセリフ、シーン

そしてこの作品、印象的なセリフが多かったので、特に心に残ったものを抜粋します。

 

「”僕”って言った。店長いつも”俺”っていうのに、”僕”って言った」(橘あきら)

車の中で。これはかわいい。この小松菜奈の笑い顔かわいい。大泉洋も思わず二度見するレベルのかわいさ。でもこういう普段俺っていう人が僕っていう自分だけの特別感は嬉しいですよね。

 

「”あなた”のことが好きです」(橘あきら)

雨に濡れながら。真剣な告白。一度ファミレスで言った時は人間として好きという風に捉えられてしまったからか、いつもは”店長”と呼ぶのにここで”あなた”のことが好きと言ったのがグッときました。

 

「きっと橘さんを呼んでる本が見つかると思うよ」(近藤正巳)

図書館でおススメの本を聞かれた時の返答が好きです。

 

「本ってね一方的に薦められて読むものではないんだよ。もしその本が合わなかったらその先読み進めるのが苦痛になっちゃうでしょ。でも橘さんが今日ここに来たということはどこかに橘さんを呼んでる本があるはずなんだ。それはきっと今の橘さんに必要な本なんだよ。幸いここは本の海だ。見つからないものはない。きっと橘さんを呼んでる本が見つかると思うよ」

 

滅茶苦茶納得するし好き。僕も使おうと思いました。

 

「一緒に過ごしたかけがえのない時間というのは時がたっても決して消えたりしないのかもなあ」(近藤正巳)

親友と喧嘩してもう仲直りできないかもしれないと落ち込むあきらに対して、久しぶりに旧友に会って依然と変わらなく話せたというエピソードを語る。

気心しれた友人というのは、いつも顔を合わせる人のことより、どれだけ会ってなくてもあった時に昨日の続きのように当たり前に話せる関係をいうのかもしれないね。

 

「橘さんはいつも雨の日に突然現れるね」(近藤正巳)

詩的で好き。雨のような少女、橘あきら。

 

「諦めずに足掻いて、でも前に進もうとするならそれは執着っていうんだ」(九条ちひろ)

小説に片思いしてて、無理だと思ってても諦めきれない。未練がましいよな。とつぶやく近藤にかけた言葉がいい。未練じゃなくて執着。そういう言い回しの方がいいだろ?

 

かっこいいとしか思えない。

 

近藤の原稿用紙に書かれてあきらへの想い

 

「本の虫」と自分でいうだけあって大量の本に囲まれた近藤の部屋。その小さな机にいつも置いてある原稿用紙と万年筆。この時代に万年筆で執筆するというのは違和感も感じますがそれも近藤のこだわり(執着)なのかもしれない。いつも白紙だったんですが、映画の最後でその内容が明かされます。

 

「その感情に名前をつけるにはあまりに軽薄だ。この感情を、恋と呼ぶにはあまりに軽薄だ。それでも、今彼女が抱えている取り払ってやりたい。救ってやりたい。

たとえ自分に、そんな資格があるとは思えなくても。若さは、時に乱暴で凶暴なものである。それでも、その時感じた感情はいずれかけがえのない財産になるだろう。

君とすごした時間が、忘れていた、かけがえのない財産を思い出すことができる・・」

 

完全にあきらを想って書かれた内容。

それをうっかり事務所に置いているのも、久保さんが勝手に読みながら微笑ましく読んでいるのもよかった。

 

45歳で夢も希望もないと悲観していた人生に、素敵な女子高生が自分に恋してくれた。彼女との出会いによって旧友に連絡を取ることができ、一瞬で昔の関係に戻ることができた。そしてその友人から刺激を受けてまた小説家を目指そうと思えた。

 

近藤にとって、恋以上の感情だったんです。あきらに対しては感謝してもしきれない。

 

恋は雨上がりのように

あきらは陸上部に復帰して朝のランニング中に近藤と再開します。今度昇進するかもしれないという報告をする近藤。

そして「店長、私たち友達ですよね。友達だったら普通、メールとかすると思うんです。わたし、店長とメールしたいです!」と真っ赤にした目で涙ながらに精一杯元気に言うあきら。

 

笑いあう二人は雨上がりのようにキラキラとして、爽やかなラストでした。

 

2時間に恋も友情も人生もたくさん詰め込まれていて、前向きになれる映画。頑張ろうと思える作品。二人の恋から多くのことを学ぶことができました。

 

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