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『梨泰院クラス』ネタバレ感想 心の底から熱くなる最強の復讐劇だった

これまで韓国ドラマをまったくみてこなかった人生だったんですけど、Netflixで『愛の不時着』に盛大にはまってしまい、一気にみ終わってからは盛大な愛の不時着ロスに陥りました。その窮地を救ってくれたのが『梨泰院クラス』。

Netflixで愛の不時着と並んで人気の高い韓国ドラマだったから期待してみたら超絶おもしろかった。というわけで感想を綴っていこうと思います。結論からいうと主人公のパク・セロイがどこまでもカッコいいです。

以下ネタバレします。

『梨泰院クラス』公式予告編 – Netflix

第一話が激動すぎてハマらざるを得ない

とにかく第一話があまりにも激動すぎて感情が揺さぶられまくるんです。そして続きが気になりすぎて、第一話をみた人は必ずそのまま最終話まで一気観することになります。

 

だから仕事が忙しいとか、家族の時間大事にしたいとか、ガーデニングの趣味に時間費やしたいとか考えてる人がいたら何の気なしに第一話みちゃだめです。ぜったいハマるから。

 

主人公のパク・セロイは高校三年で転校して、韓国外食産業トップの「長家(チャンガ)」の会長の息子チャン・グンウォンと同じクラスになります。こいつがマジで死ぬほどのくそ野郎で、弱いものに平然と牛乳かけてバカにしたり、歯向かうものに「ここでは俺が王だ」と豪語するくそです。クラスメイトや先生すらも見て見ぬ振りをする始末。そんな中、転校してきた初日のセロイが己の正義感と信念からグンウォンをぶん殴ります。

 

そしたらグンウォンの父親がやってくるんですけど(超絶に荘厳な空気を放ちまくってる)、こういう時本当のトップの資質の人間は「息子が悪いことをした、謝ります」って否を認めて息子を罵るのが当然じゃないですか。でもこの父親チャン・デヒも最高にクズな精神をお持ちがゆえに、セロイに「息子に土下座して謝りなさい」とかいうんですよね。胸糞わるすぎ。

 

それに対してセロイは「グンウォンには謝りません。申し訳ないと思わないから」と言って、権力に怖じけずに突き通す信念がかっこよすぎるし、そしてなによりここで一番かっこいいのは「長家」の従業員でもあるセロイの父親。目の前に上司がいて、事情もよく聞いてない状況でセロイの「いじめを看過できずに殴った」という言葉を信じて、息子を讃え、「私の息子とは思えないほど、、、かっこいいです」と言って守るんです。そしてデヒが「私と気まずくなって仕事ができるか?」というくそみたいなセリフを吐くとすかさず「退職します」。シビれる、、。

 

結果的にセロイは退学処分に、父親は退職になるわけですが、そのあとの二人の居酒屋シーンがよかった。あんな状況で誰に対する文句も愚痴もこぼさず、「お前がどれほど誇らしかったか」と息子を褒めるなんて、なかなかできることじゃない。この最高の父親あってのセロイだなと思います。

 

さぁここから父子で小さなお店から始めていくストーリーかと思いきや、セロイの父親がグンウォンのひき逃げ事件で死亡します。展開が衝撃すぎて心臓が追いつかない。悲しみで放心状態に陥るセロイは、父親をひき逃げしたのがグンウォンだと知って激怒し、彼を見つけて石で殺そうとするところで第一話の幕が降りるんです。

 

もうなんだろう、喜怒哀楽でいえば「怒」と「哀」の感情で激しく揺れ動くのがこの梨泰院クラスの第一話でした。そこからデヒによってひき逃げ事件は隠蔽され、それどころかグンウォンへの殺人未遂とされセロイは懲役三年の判決で刑務所へ。そして絶望に転落していったセロイの復讐劇が、この物語になっていくのです。

セロイの揺るぎない信念とデヒの人生観の戦争

すべてを失い刑務所生活となっても人生を諦めなかったセロイ。出所後7年間漁船や工場で働いてお金を貯め、梨泰院で「タンバム」を開業する。もうこの時点ですごいんですけどね、でもこれはセロイにとってはあくまでスタート地点なわけで。

 

自分を慕ってくれるスングォンとヒョニ、そしてイソやグンスと仲間を増やし繁盛するタンバムはデヒの気になる存在になっていきます。もう毎話毎話でセロイ・タンバムの成長とそれを突き落とそうとする長家デヒの戦争なんですよ。

デヒの人生はなによりも長家で、その人生観は「常に勝つものが正しい、勝つことが正義」、好きな言葉は「弱肉強食」。常に勝者であり続けてきたからこその人生観で、他人の人生を無慈悲に壊していく最強にして最悪の敵です。でも、このデヒも小さな屋台から始めて一代でトップに上り詰めた人間だから、セロイは敵として憎みながらもある種リスペクトしてて。勝つためにどんな悪事をも働き、息子さえも捨てる、人としても親としても最低だけど。徹底した人生観を貫き通すがゆえに強敵でした。

 

セロイの初恋のスアに金銭の援助をすることで長家に取り込んだり、タンバムの建物を買い取って出ていくようにしたり、イソを引き込もうとしたり、タンバムの仕入業者を切ろうとしたり、50億の投資先を撤退させたり、周りから攻めてセロイを突き落とそうとするデヒの策略はあまりにも狡猾で残忍。金や利益ですべてを解決しようとするやり方に怒りが込み上げてきます。それでも「商売は人と信頼」という理念で周囲からの人望を得たセロイが打ち勝っていく様が最高に面白いんです。どこまでも熱くさせてくれました。

なんといってもイソの存在がでかすぎる件

インスタ76万人のフォロワーを誇るインフルエンサーでスポーツ万能、芸術にも多才でIQ162のメンサ会員でもある天才少女イソ。このイソがタンバムに加入したのが何よりでかすぎた。客が全くこなかったタンバムが繁盛するきっかけを与えたのがイソのSNSでの宣伝効果だし、インテリアを良くしたのもヒョニの料理をうまくさせたのもイソ。優秀で判断力・決断力があり、セロイにも「イソのいないタンバムは考えられない」と言わしめるほど。

 

いや、セロイは確かにすごいですよ?行動力と揺るぎない信念があって、彼の精神力と度量があったからこそタンバムは成長していったと思います。でも、もしイソと出会わなければ、どうなっていた? タンバムは赤字続きの状況で着ぐるみきて宣伝するセロイは過労で倒れて、宣伝効果も虚しく客は全然こなくて従業員のスングォンとヒョニに給料を払うのもできなくなって、タンバムは閉店、、、っていうシナリオしか見えないですさすがに。根性だけじゃどうにもならない。だからイソは救世主であって天使。セロイの元に現れたときのセリフが「ここで働かせてください。夢を──叶えてさしあげます」ですからね。もう神だろ。

 

ただ周りに合わせる性格ではまったくないし、相手が一番傷ついて一番刺さる言葉も平気で言えてしまうし、ひねくれていて、ソシオパスを自覚してむしろ開き直って、そして人生に飽きている、そんな気難しいイソを唯一ときめかせたのがセロイだから、やっぱ結論セロイがすごいってことでおうけいですか。セロイは覇王色の覇気持ってるよね絶対。いいやつだし、ちょっと頑固すぎるからルフィには似てないけど、でも仲間思いだもんな、うん。ちょっとワンピースの話になりましたすみません。イソの話に戻そう。

 

イソは心の底からセロイに惚れてて、セロイの為ならなんだってする。セロイを傷つけるものは誰だって叩き潰す、人生をセロイに懸けた女なんです。そして自分は優秀で挫折したことなく、恋も仕事も必ず成功させてみせると自信に満ち溢れてる。

 

でもセロイはずっとスアのことが好きで、鈍感すぎてイソの恋心にも1ミリ足りとも気づかない。裏でイソとスアの熾烈な恋の駆け引きが行われていることにも当然気づかず、あろうことか飲み会でイソとスアが一緒にいるときに始まった真実ゲームで「俺はスアのことが好きだ」と言う始末。そもそもその前にイソに質問は「ない」ってきっぱりいって、これ完全に興味ないって言われてるようなものですからね。

 

さらに追い討ちをかけるようにイソのことを女としてみたことは一度もない、「イソは妹でありパートナーだって」。イソはスアにあなたを潰してみせるって啖呵を切ってるわけでその相手が目の前にいて、自分がセロイのことを好きなことをグンスやヒョニもわかってるなかみんなの前でこんなこと言われたらナイフで刺されるくらい心がえぐられてしまう。弱みを見せないイソでもさすがに泣いちゃうよこれは。

 

もうこの状況じゃ告白しかなくて、それでも年齢とか仕事とかくだらない言い訳されて振られても、それでもひとかけらの希望を残したくて「私じゃ絶対ダメですか?」問うも、「うん、好きになるな」って返ってきた日にはもう死んでしまう。

 

セロイお前さすがに残酷すぎだろそれ? スアに「私を好きになっちゃダメよ」って言われすぎてお前まで言っちゃったか??? でもスアはまだオブラートに冗談の空気で包んだむしろ前向きな「好きになっちゃダメ」だったのに対してセロイの「好きになるな」は本気の目で本気のトーンで本気の空気で言いましたからね。これはもうさすがのイソもノックアウト。

でもそれでも負けないイソだからセロイは好きになったんです。

 

イソの強さですよね。それでも諦めないと思いましたよ、これまでのイソをみてたら。ここでおいそれとスアにセロイを譲るような真似はしないでしょうし、どんな逆境にも屈しないセロイの影響を受けてるかもしれません。イソが倒れた時、いつも一番近くにいていつも自分のことを想ってくれていた人の大きな大きな存在に、ようやくセロイは気づいたんだなって。最終回までで怒涛の大逆転でした、恋の物語も最高潮を迎えました。

 

よかったね、イソ、ほんとにおめでとう。セロイに人生を懸けたイソの恋が実らなかったらもう救いがないじゃないですか、もし振られたままだったら魂の行き場がない。だからこれが一番だったんです、セロイが初恋を貫かず、イソの愛情に答えたことが。うんうん。

 

でも、自分ひとついいですか? 水を差すようであれなんですけど、それでも僕はね?

 

スアとのハッピーエンドが見たかった

見たかった。本当に。この物語で一番難しかったのがスアの本心なんですよ。「スアはいったい何を考えてるの?スアの心の奥底にある感情はなに??」ってずっと考えてた。恩あるセロイの父親を殺したグンウォンの、その罪を隠蔽したデヒの支援を受けて大学に通って、さらによりによってセロイの宿敵の長家に就職して全力で仕事してる。

 

セロイのことは応援しながらも「私を好きになってはダメよ」というし、かといえば事あるごとに「まだ私のことが好き?」と確認する。告白を仕向けるようなことも言う。そして告白されたかと思いきや内心喜びながらも曖昧に濁す。いやいや、スア、どうしたいの本当?って、思うじゃないですか。セロイはずっとスアのことが好きだと言っていたし、スアもセロイのことが好きだった、セロイには「俺たちの関係はいつでもお前次第だ」とまで言われていて、スアが好きだと言えばいつでも恋人になれたんです。じゃあなぜそうしなかったのか?理由は一つしかないじゃないですか。

長家を内側から破壊するためです。

 

セロイにとって父親が全てだったように、スアにとってもセロイの父親は初めてできた家族のように、大切な存在だったのです。血の繋がりのない自分に大学の授業料を払ってくれるまでした、温かい存在。その人と約束しました。授業料は「必ず成功して三倍にして返す」と。でももう返す相手はこの世にいない。じゃあその命を奪った相手を三倍にして苦しめるしかないんです。

 

だからスアはずっと孤独に闘ってました。長家の幹部に上り詰めて、成果を出しながら会長の側近になり、密かに長家の不正を集めていた。そして誰にもそのことを言わなかった。愛するセロイにも。言ってしまったら気持ちが崩れてしまうから。セロイが外から長家を始末しようとしているのを応援しながら、セロイの邪魔をしないように、自分は内側から闘っていたんです。

 

でもずっと心には葛藤がありました。セロイの憎き敵の元で働くという裏切るようなことをしている自分を呪いたくもなったでしょう。一生懸命に働いて、認められて、高級な車も家も購入することができて、誰にも頼らないで生きていけるようになった。私は本当は何がしたいのか?現にセロイに「私は誰の味方なのかわからない。二重人格みたいね」と本音を吐いています。

 

デヒからは仕事ぶりを認められながらも「私とパク・セロイ、どちらを選ぶかな?」とずっと試されるように疑われていて、自分は長家の人間だと言い聞かせないと、たとえセロイであっても長家側の人間だと言い続けないと会社には到底いられなかった。スアはずっとデヒとセロイの板挟みの中で独りで闘ってたんです。

 

タンバムにイソたち未成年が飲んでいるのを通報しかけたのは、長家に誠意を示すため、あるいは未成年が飲むのを黙認してはいけない正義感。でもセロイを想って通報はできなかった。イソに「あなたがチクった?」と指摘されても否定せず、むしろ自分がチクったと嘘をついた。なぜか。これは真実を知ったイソに聞かれてもセロイに聞かれてもはっきりとスアは答えませんでしたが、ひとつは一度本当に通報しかけたことと、自分は長家の人間だからセロイたちの敵だと思わせるため。

 

スアはいっそ罵られたり嫌われたりしたかったのかもしれません。その方が楽になるから。それでもすべてを許してくれるセロイに、全部を見抜かれたような気がして時に苛立つこともありました。「高校中退で前科者のくせに癪にさわるのよ」なんてひどいことを言ってしまったこともありました。相当苦しかったでしょうね。

 

セロイの目的である長家を叩き潰すことが達成されたら、スアはセロイと一緒になりたかった。でもデヒが50億の投資先を撤退させて絶望的状況になったとき、スアは「全てを捨てて私と一緒にいよう、そして幸せになろう」と言います。スアも精神が限界まできていました。苦しみから解放されたれたかった。セロイと一緒にいたかった。でも、セロイを止まらせるわけにはいかないのに、止まらないことだってわかっているのに、我慢の限界で本当の気持ちを告げて、泣き崩れたんです。

 

そしてセロイがイソに心を動かされていることに気づいた時は、不安で仕方なかったでしょう。つい「いかないで。あんただけは私を好きでいて」と本音をこぼさずにいられないくらい。でも、結局イソに持っていかれてしまった。いつもセロイの側でセロイのために全力を尽くしてきたイソに負けてしまった。スアもセロイと一緒に長家と戦う選択をしていれば、結果は違っていたかもしれない。

 

スアの気持ちを考えると夜も眠れないレベル。セロイとスアが結ばれてしまったらイソが報われないけど、それでもやっぱり、スアとのハッピーエンドが見たかったなぁ。

 

チャン・グンウォンはどこまでも最悪のクズ

一応、グンウォンの話もしようと思いますが、いや、もうむかつきすぎてこいつの話はしたくないレベルなんですけど、一応書くと、セロイの父親をひき逃げしてセロイにぼこぼこに殴られて、自分の罪をデヒによって隠蔽されたとき、奴にギリギリ残っていた良心がセロイとは示談にしてくれと言わせたんですけど、結局は父親の恐怖に勝てなかった。鶏の首をひねってからは、罪悪感を宇宙の果てにでも飛ばしたのかセロイにも社員にも家畜同然のような態度になり、人類最悪のクズになりましたねあいつは。

 

ただ、デヒに捨てられて刑務所に入ってからは何かを決意したかのように精悍な顔立ちになって、「お?吹っ切れていい方向に変わるのか?」と思ったんですけど、決意したのがセロイの殺害とイソの拉致だったからマジでクソ。マジでグンウォンは地獄に落ちろ。以上。

結論:梨泰院クラスをみて心の底から熱くなれた

どんな絶望的な状況になっても屈しないセロイを見てると心の奥底から熱いものが込み上げてきて、「俺もがんばろう…ッ!」と思わせてくれました。第一話を見たら全部一気見してしまうのは漫画『キングダム』を思い出すし、小さな一歩から大きな権力に立ち向かっていく様は『半沢直樹』を彷彿させます。とにかく熱かった。そして恋に苦しみ揺れる物語でした。ヒョニのトランスジェンダーやトニーの人種問題など、社会的な多様性も含めてとてもいい作品でした。必ずまた見ます。

 

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