邦画

『坂道のアポロン』が響かせる糸電話の恋と友情のジャズセッション【ネタバレ感想】

すごくいい映画を見た。評判をあまり聞いたことがない作品だったけど、見て良かったと心から思ったし、純粋に多くの人に見てほしいと思った。あらすじ全然知らないけど小松菜奈が出てるから見とこうかなくらいのわりと軽い気持ちで見始めた己を殴りたい気持ちでいっぱいです。こういう映画が本当に好き。制服姿と水着姿の小松菜奈が見られるという神映画でもあります。

 

監督は三木孝浩。たまたまだけどこの映画の前にアオハライドを観ていたから同じ監督ということを知って驚いて、青春映画を撮るのが最高な方なんだなと(まだ二作しか見てないけど)。

 

主要人物は三人。

(出典:「坂道のアポロン」公式サイト

 

①西見 薫(にしみ かおる)役の知念侑李

知念侑李のことぜんぜん知らなかったんですけど、後で調べてみたらかのHey! Say! JUMPのメンバー(無知ですみません)。159cmの身長というのが主人公のキャラにあっていて絶妙にいいです。168cmの小松菜奈より余裕で低いんですけど、なんかもうそれが純粋にかわいいとしか思えない。でもピアノを弾く姿とか時々見せる男前の性格がかっこいいんだからズルい。

②川渕 千太郎(かわぶち せんたろう)役の中川大志

ケンカが強くて見た目はいかにもヤンキー!って感じなんですけど、全然そんなことはなくて素直で繊細で友達思いの千太郎を演じるのが中川大志。男勝りで女に惚れるところが不慣れで律子の自分への思いにも全然気づかない、そんなピュアな演技が素敵でした。

③迎 律子(むかえ りつこ)役の小松菜奈

小松菜奈がすきなのでどうしても偏愛で語ることにはなるんですけど、とにかく小松菜奈の長崎弁のかわいさが異常。方言もまったく違和感がない。クラス委員として薫に挨拶する登場時が「天使かな?」ってくらいの透明感と存在感。清純で清楚系な役柄なので、主演していた「ぼくは明日、昨日の君とデートする」を思い出します。

 

舞台は1966年(昭和41年)の長崎県佐世保市。昭和ってのがいいです、あとで紹介しますけど昭和ならではの見どころもあるので。個人的に特に印象に残ったシーンを4つ紹介しようと思います。

「坂道のアポロン」予告編

 

というわけで以下ネタバレで語っていきます。

おススメの見どころ

 

教室でのえんぴつと指のジャズセッション

 

薫が律子の家の地下室で千太郎と会い、「こいつにジャズのセンスはない」と小バカにされたことを見返してやろうと必死に千太郎が唯一弾ける「モーニン」の練習をする。家の二階にあるレコードを聴いて譜面に落とし、一階にあるピアノを弾いて確認する、を何度も繰り返す。頭の中は「モーニン」でいっぱいで、授業中も鍵盤を弾くように指で机をたたく。それを見た千太郎がえんぴつで机をたたき、ドラムのように鳴らす。これが初めての二人のセッションだ。そして、それを聴く小松菜奈のうっとりした顔が美しすぎる。ここが最初の見どころです。要は小松菜奈のうっとり顔です。

バーでのセッションライブ

 

ディーン・フジオカ演じる桂木 淳一(かつらぎ じゅんいち)行きつけのバーでライブをやることになった話をしていたところ、外国の水兵たちに「冗談だろ?」とバカにされて頭にきた千太郎。一色触発の状況となったけれど、熱くならず止めようとする薫。かっこいい。しかしここではそれを圧倒的に上回るかっこよさを見せつける淳にい(ディーンフジオカ)!トランペットで喧騒を黙らせ、「暴力なんて何の意味もない」と千太郎を諭す。そこから始まる三人のジャズセッションライブ。得意な音楽で、そして自分たちの実力で、観客だけでなく喧嘩腰だった水兵さえも虜にしていくジャズセッション。ディーンフジオカの甘い歌声が会場に響きます。

糸電話での告白

 

糸電話で告白をするシーン。ここが一番すきです。この映画の僕のマイフェイバリットシングスは糸電話。薫が幸子ちゃんとドアを挟んで糸電話をしていて、幸子が「同じクラスの男に嫌がることをされる」という悩み相談にたいして自分を重ねながら答えていく。

失恋した律子に思わずキスをしてしまったシーンがフラッシュバックし、「好きな人の嫌がることなんてしたくないはずなのにね」「本当は一番大事にしたいのに」「好きな子の笑顔だけ見ていたいはずなのに」「俺も最近だいすきな女の子を泣かせちゃったんだ、謝っても許してもらえないと思うけど」

ここで、まさかの律子からの「許さんよ」。いつのまにか幸子ちゃんと代わっていたのです。

うおー!!とびっくりした薫、ではなく僕。

薫は落ち着いていて、気持ちを伝えずにキスをしたことを謝る。そして「今さらだけど俺はリっちゃんが好きなんだ」と告白。薫の気持ちをうれしいと思うものの、千太郎への気持ちを引きずりながら、どうしたらいいのかわからないと今の心情を素直に吐露する律子。もうすっかり糸電話なんか見なくなってしまったけど、こんな告白があったら素敵だな、なんてちょっと昔を想ったり。このシーンは何度でも見れます。

文化祭、友情を取り戻すジャズセッション

 

最大の見どころです。一生ものと思っていた薫との友情を失ってしまい、「おいがバカやった、大事なもんば失うてしもうた」と舞台裏で律子に語る千太郎。そしてその思いを聞いてしまう薫。黙って去っていく薫だけど、それからとる行動が自分がピアノ演奏をするというもの。停電でざわつく体育館で、腕まくりをしながらピアノに近づき、弾き始める薫の男らしさよ。

薫はきっと、千太郎を信じてた。失った友情を取り戻すために、千太郎がセッションにのってくれることを信じて。あるいはそこまでは考えていなかったのかもしれない(千太郎が照れながらもセッションを始めた時、薫は意外そうな表情を浮かべたから)。でも、自分の演奏でもう一度千太郎がジャズの思いを汲み取ってくれることをどこかで思っていたはず。

曲は「My Favorite Things」。律子が好きと言っていた曲を、薫は弾けるようになっていたんだ。二人がセッションを始めて、思わず涙する律子。そして二人の演奏に惹きこまれていく生徒たち。時折目をあわせながら生き生きとセッションをする薫と千太郎。そして曲は二人の出会いの曲、「Moanin’」に移る。打ち合わせなんてしていないのに、思いを一つにしてあまりにもスムーズに二曲目に移ることで周囲も思わず感嘆の声。

そしてとびきりの演奏に大歓声、大拍手。そんな中ひとりだけ泣いている律子。ここはもう、泣きます。演奏に心が震わされて、二人の友情は完全に元に戻って、涙する小松菜奈見たら泣くしかないじゃないですか。いつも音楽が寄り添ってくれる。いつもジャズが三人を救ってくれる。最高のシーンです。

 

最後に

 

改めて、これを書きながら良い映画だったなあと思います。二回観ました。また観たいと思うし、あの糸電話もあの文化祭も何度でも観たい。

ぜひ多くの人に見てほしいと思った映画です。観られてない方はぜひ。おすすめです。

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